クレジットカードの審査基準って、クレジットカード会社が全て決めているのではなくて、実は法律で決められているってご存知でした?
1961年(昭和36年)に施行された、割賦販売法という法律がそれにあたります。
割賦販売法は、60年前に施行された古い法律などでは無く、実は令和3年4月1日に改正法が施行された、世の中の状況により常に変わっていく法律なんです。
クレジットカードを利用したインターネット決済が流通や消費の多くの割合を占めるようになっていますから、そういった意味でも審査基準などの精度を上げていく基準整備は重要な事であるという認識が国の方にも有るのでしょうね。
クレジットカード審査の法律「割賦販売法」って何ですか?
割賦販売法とは、分割払いによる販売やローン販売、クレジットカード販売に関して定めた法律ですが、その割賦販売法により支払可能見込額を超えるクレジットの利用が原則禁止になっています。
支払可能見込額とは、利用者等の1年間の「年収」「生活維持費」「クレジット債務」という3要素に基づいて算出されるのですが、クレジット会社には利用者等の支払可能見込額を調査して審査することが義務付けられています。※平成22年改正法施行
この支払可能見込額が、割賦販売法によって定められた審査基準なんです。
クレジットカード審査の「支払可能見込額」って、どう計算してるの?
前述の通り、支払可能見込額を算出するには、「年収」「生活維持費」「クレジット債務」という3つの要素を必要とします。
年収
先ずは、年収です。収入がどのくらいあるかを見られるわけですね。
年収は自己申告になります。
生活維持費
そして、生活維持費です。生活はしなければならないし、生活すれば支出が有りますから、当然と言えば当然ですね。
では、生活維持費の算出法とはどのようなものでしょうか。
生活維持費の算出法は、住宅の所有状況や、家族構成などにより、法律により算出方法が定められています。
例えば、あなたが、
・持ち家(マンション含む)有り、住宅ローン無し
・持ち家(マンション含む)無し、家賃支払い無し
だった場合は以下の一覧表を元に生活維持費が算出されます。
▽東京23区内に居住する場合
1人世帯 | 90万円 |
2人家族 | 136万円 |
3人家族 | 169万円 |
4人以上 | 200万円 |
※ 家族数は同一生計の人数。また、居住地で金額は異なります。
※ 配偶者や親族の年収等を合算することも、条件付きで可能なようです。
または、あなたが、
・持ち家(マンション含む)有り、住宅ローン有り
・持ち家(マンション含む)無し、家賃支払い有り
だった場合は以下の一覧表を元に生活維持費が算出されます。
▽東京23区内に居住する場合
1人世帯 | 116万円 |
2人家族 | 177万円 |
3人家族 | 209万円 |
4人以上 | 240万円 |
※ 家族数は同一生計の人数。また、居住地で金額は異なります。
※ 配偶者や親族の年収等を合算することも、条件付きで可能なようです。
なんか機械的な算出方法ではありますが、法律でこのように定まっている訳です。
クレジット債務
最後に、クレジット債務です。1年間にどのくらいのクレジット債務が有るかを調査されます。
クレジット債務に関するクレジット会社による自社調査はもちろん行われます。
また、「指定信用情報機関」という、経済産業大臣から指定を受け、利用者等のクレジットの利用状況や履歴を管理し、クレジット会社が審査を行う際に情報を提供している機関へ調査を依頼し、他社の債務を確認する事も義務づけられています。
このように、申込をしたクレジット会社だけではなく、他のクレジット会社のデータも調査した上で、クレジット債務は算出されるわけです。
基本的な計算式
3つの要素を使った計算式は、
[ 年収 ]ー[ 生活維持費 ]ー[ クレジット債務 ]×0.9 =支払可能見込額
※ クレジットカードの場合は0.9をかけます(法定)。
となります。
例えば、
- 年収400万円
- 都内在住の3人家族
- 持ち家で住宅ローン有
- 年間クレジット債務が30万円
の方ですと、
400万円[年収]
ー209万円[生活維持費]
ー 30万円[クレジット債務]
× 0.9
ーーーーーーーーーーーーー
=144.9万円[支払可能見込額]
となる訳です。
この方法で算出された、支払見込可能額を超える契約を、法律では原則禁止としています。
これが、法律で定められたクレジットカードの審査基準なんです。
カードブラックでも持てるクレジットカード
カードブラックは、法律で定められた審査基準とは異なる、クレジット会社などが独自で把握しているいわゆる「事故情報」の事を指します。
ブラックリスト入りしてしまう条件は多数存在しますが、良く知られている所では、
- カードやローンの返済を長期延滞
- 債務整理をした
- 自己破産した
等があります。
ブラックリスト入りしたからといって、絶対に審査に落ちるという訳ではないようですが、しかしながら審査に通る事が非常に難しい事である事は否めません。
比較的審査が甘いと言われている「流通系(イオンカードなど)」のクレジットカードであっても、高いハードルである事は間違いないでしょう。
ですが、「金融系(アコムのACマスターカードなど)」のクレジットカードでは、「借り入れの可能性が高い」と判断されると、発行されることも有るようです。但し、ETCカードの発行は出来ない事が多いようですので、確認してから申し込むべきでしょう。
クレジットカードの審査基準も色々とあり、実際に審査が甘めのカードも有るようですね。
また、全く審査の無いデポジット(保証金)型クレジットカードというものも有ります。このカードは、条件付きではありますが、ETCカードも持てますので、検討する価値は有りそうですよ。
クレジットカード審査無しで持てるETCカード
クレジットカードの審査無しに、ETCカードが持てる方法が有ります。
ETCパーソナルカードという、高速道路の運営会社が共同で発行している、ETCカードなんです。
ETCパーソナルカードは、文字通り個人利用者向けのETCカードとなります。
また、法人・個人事業主の方には、クレジットカード審査無しのETCコーポレートカードという法人・個人事業主向けのカードが有ります。
どちらもクレジットカード審査無しなので、オススメいたします。